噴水の中で

スポルディングの話

噴水の縁に腰掛けていると、彼女が言った。「スポルディングって知ってる? ブラッドベリの、空飛ぶ靴の話よ」 水しぶきの向こうで、少年が両足を蹴った。古いスニーカーが銀色の翼をひろげ、街の屋根を越えていく。 「いつか、あの靴で君を迎えに行くよ」 彼女は笑った。噴水の水音が、遠い夏の拍手に聞こえた。

自転車に乗って

噴水のそばで、君は自転車のベルを鳴らした。夏の午後、どこへ行くとも決めず、坂道を下っていく。風がシャツをふくらませ、街角の花屋でひまわりが揺れた。「あの頃も、こんなふうに走ったね」君の声が、遠い青春を連れてくる。ペダルを踏むたび、昨日と明日が、ひとつの道に重なっていった。

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さよならファンタジア

  秘かな共和国  雨あがれば

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