マイフェアレディ

サブリナはイルカに乗って

初夏の光が、海辺のカフェの白いテーブルクロスに踊っていた。サブリナは大きな帽子を少し傾け、レモネードのグラスを手に取る。遠くの桟橋には、イルカが一頭、まるで迎えに来た紳士のように待っていた。

「ごきげんよう。今日はどちらまで?」

彼女がそう尋ねると、イルカは尾びれで水を跳ね上げた。

サブリナは笑って靴を脱ぎ、波打ち際へ駆け出した。白いスカートが風をはらむ。街の喧騒も、昨日の小さな悲しみも、海の向こうへ置いていこう。

イルカの背に乗って、彼女は青い水平線へ。心の中では、古いピアノが軽やかなワルツを奏でていた。世界はまだ、素敵な偶然に満ちている。

オルゴールとワイン

初夏の夕暮れ、彼女は古いオルゴールを見つけた。蓋を開けると、小さなバレリーナがくるりと回り、懐かしい旋律が部屋に流れた。 「まあ、こんな素敵なものがあったのね」 窓辺にはワインが二つ。向かいの椅子には、少し遅れてやって来るはずの彼。彼女は帽子をそっと置き、鏡の中の自分に微笑んだ。 やがてノックの音。彼女はワインを注ぎ、オルゴールをもう一度鳴らした。恋はいつだって、思いがけない小さな音色から始まる。初夏の夜は、まだ長かった。

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